各方法のメリット・デメリットと、お勧めの方法は以下となります。
以下の内容と、貴社の運用方針から、最適な方法をご検討ください。
※どの方法を使用しても、最終的に作成される電子申告データは、バージョンに応じて
同様の電子申告データになります。
Ⅰ 財務諸表
1.お勧めの方法
「独自レイアウト」です。ただし、「国税庁指定XBRL形式」をご利用の会計ソフト
から切り出せる場合は、XBRL形式が一番楽な方法(※1)となります。
※1 処理に手間がかからない順は以下です。(左側から処理が楽な順です。)
「国税庁指定XBRL形式」>「独自レイアウト」(※2)>「国税庁指定CSV形式」
※2 「TKCシステム(FX5等)で作成した財務諸表」も「独自レイアウト」の方法
による読み込みですが、レイアウト設定が自動で行われます。
2.各方法のメリット・デメリット
1.「独自レイアウト」
(1) メリット
① 一番利用されている方法です。
会計ソフトからXBRLを出力できない場合は、当該方法をお勧めします。
なお、弊社のFX5をご利用の場合は、「TKCシステム(FX5等)で作成した財務諸表」
の方法をご利用ください。
② Excel等で作成済の財務諸表のデータからCSVを作成し、基本的にそのまま
使用可能です。
また、レイアウトの設定作業は、一度行えば以後は不要なため、少ない手間で
対応可能です。
(レイアウトを変更した場合は、再度、レイアウト設定が必要になります。)
③ e-Tax標準科目や独自科目の紐づけを、読み込み後に自由に設定(変更)できるので、
自由度が一番高い方法です。
④ 読み込ませた内容を、システムから帳表形式で確認可能です。
(2) デメリット
① 独自レイアウトの構造によっては、レイアウトやデータの修正が必要になります。
(例)同じ行に金額が2列以上ある場合は、1科目1金額になるようにレイアウトの
修正が必要など
② 独自レイアウトは「Ver3.0のEDINET勘定科目(6,400)(勘定科目コードを使用する)」
に対応できておらず、「Ver2.0のe-Tax標準科目(1,600科目)(勘定科目コードを使用
しない)」を使用します。
2.「国税庁指定XBRL形式」
(1) メリット
① 一番手間のかからない方法です。
会計ソフトから切り出したXBRLを、システムに読み込むだけです。
ご利用の会計ソフトがXBRLを出力できる場合は、当該方法が一番簡単なので
お勧めです。
(2) デメリット
① システムで読み込ませたXBRL形式のデータは、システムから帳表形式で確認
できません。
帳表形式で確認するには、当該データを切り出した会計ソフトか、e-Taxソフト
(PC版)で確認が必要です。
3.「国税庁指定CSV形式」
(1) メリット
① 「Ver3.0のEDINET勘定科目(6,400)(勘定科目コードを使用する)」は、
主要な業種ごとの標準フォームが用意されています。
(2) デメリット
① 国税庁指定の標準フォームを使用し、CSVデータを作成する必要が
あるため、一番手間のかかる方法です。
② システムで読み込ませたCSV形式のデータは、システムから帳表形式で
確認できません。
帳表形式で確認するには、e-Taxソフト(PC版)での確認が必要です。
【ご参考】
[e-Tax]財務諸表のCSV形式データの作成方法
Ⅱ 勘定科目内訳明細書
1.お勧めの方法
「TKC専用フォーム」(※)です。
※ 処理に手間がかからない順は以下です。(左側から処理が楽な順です。)
「TKC専用フォーム」>「独自のレイアウト」>「国税庁標準フォーム」
2.各方法のメリット・デメリット
1.「TKC専用フォーム」
(1) メリット
① 一番利用されている方法です。
独自レイアウトの方が楽に対応できるなどの理由がなければ、通常は当該方法を
お勧めします。
② CSVを作成せずに、Excelのまま読み込めます。
③ 国税庁標準フォームのように、異なる科目のデータを、1つのシートにまとめてから
CSVを作成する手間が不要です。
④ 国税庁標準フォームより、入力が容易です。
(例)国税庁標準フォームは、日付を和暦で複数列に分けて入力するところ、TKC
専用フォームでは、西暦で1度に入力できるなど
⑤ Excelの「データの入力規則」で、入力定義のヒントの表示や、入力値のチェックが
行われます。
※ 入力定義のヒントは、「国税庁標準フォーム」でも表示されますが、入力値の
チェックは行われません。
⑥ 必須項目をシステム側で設定し、設定漏れがないようにしています。
1)「フォーマット区分」
どの内訳書か見分けるためのキーとなる必須項目ですが、システムが設定している
ので、当該項目はTKC専用フォームにはありません。
2)「行区分」
明細行の場合は0の入力が必須ですが、空欄は0とみなしてシステムが設定している
ので、当該項目を未入力でもエラーになりません。
(2) デメリット
① 勘定科目内訳明細書のデータを、TKC専用フォームに移し替える作業が必要です。
2.「独自レイアウト」
(1) メリット
① 貴社で作成済のデータを利用するため、データ作成の手間が少ないです。
また、レイアウトの設定作業は、一度行えば以後は不要なため、少ない手間で
対応可能です。
(レイアウトを変更した場合は、再度、設定が必要になります。)
② 合計行がある内訳書は、システムが自動で合計行を設定できます。
(2) デメリット
① レイアウトによっては、国税庁仕様のレイアウトに合わせるため修正が発生します。
修正が大きい場合は、「TKC専用フォーム」を使用する方が、手間がかからない
場合があります。
3.「国税庁標準フォーム」
(1) メリット
① 特にありません。
(2) デメリット
① 「TKC専用フォーム」のメリットの逆になります。
【ご参考】
[e-Tax]勘定科目内訳明細書及び法人税申告書別表等(明細記載を要する部分)のCSV形式データの作成方法