1.「訂正のためのマイナス伝票」が表示される理由について
過去の請求書に表示された伝票を訂正するとき、SXでの取り扱いは以下のいずれかと
なります。
(1) 訂正する伝票が最新の請求書に表示されている場合
①「訂正前の伝票」の仕訳データが作成されていないとき
「訂正前の伝票」は削除され(無効な伝票になり)、「訂正後の伝票」が新たに作成さ
れます。
また、最新の請求書は「要差し替え」となり、請求書を再発行すると「訂正後の伝票」
のみ表示されます。
②「訂正前の伝票」の仕訳データが作成済みであるとき
「訂正前の伝票」は削除できない(有効な伝票のままとなる)ため、「訂正のためのマ
イナス伝票」と「訂正後の伝票」が新たに作成されます。
ただし、最新の請求書は「要差し替え」となり、「訂正前の伝票」と「訂正のためのマ
イナス伝票」は表示対象外(相殺される)となるため、請求書を再発行すると「訂正後
の伝票」のみ表示されます。
(2) 訂正する伝票が最新ではない請求書に表示されている場合
「訂正前の伝票」は削除できない(有効な伝票のままとなる)ため、「訂正のためのマ
イナス伝票」と「訂正後の伝票」が新たに作成されます。このとき、最新の請求残高には
「訂正前の伝票」の取引金額が含まれているため、「訂正のためのマイナス伝票」には
『請求書に発行する必要がある』という情報が書き込まれます。
なお、伝票訂正の際に「訂正のためのマイナス伝票」や「訂正後の伝票」の取引日を、
最新の請求書の請求期間内とした場合、最新の請求書は「要差し替え」となります。請求
書を再発行すると「訂正のためのマイナス伝票」も「訂正後の伝票」も表示されます。
※伝票訂正の際に「訂正のためのマイナス伝票」や「訂正後の伝票」の取引日を最新の請
求書の請求期間よりも古い日付とした場合、これらの伝票を(A)最新ではない請求書
に表示するか、(B)最新の請求書に表示するか、(C)次回の請求書に表示するかを、
選択します。このうち(B)を選択した場合は、最新の請求書が「要差し替え」になり
ます。
また、「訂正のためのマイナス伝票」や「訂正後の伝票」の取引日を最新の請求書の請
求締日よりも新しい日付とした場合、最新の請求書が「要差し替え」になることはあり
ません。
2.「訂正のためのマイナス伝票」の削除について
伝票訂正により作成された「訂正のためのマイナス伝票」は、「訂正前の伝票」と相殺
される伝票であるため、訂正や削除を行うことはできません。
そのため、請求書の発行については下記のいずれかの方法で対処してください。
3.「訂正のためのマイナス伝票」を最新の請求書に表示する方法について
(1) 上記1(1)②に記載したとおり、最新ではない請求書に表示された伝票を訂正した場合、
伝票の取引日等によって(A)最新の請求書が「要差し替え」となるケースと、(B)最
新の請求書が「要差し替え」とならないケースがあります。
(A)のケースでは、そのまま請求書の差し替え発行を行うと「訂正のためのマイナス
伝票」が表示されます。(B)のケースでは、いったん最新の請求書の取り消しを行った
後、再度請求書を発行すると「訂正のためのマイナス伝票」が表示されます。
(2) 例えば、請求書を7/31と8/31に発行していて、最新の請求書が8/31である
とき、7月の伝票を訂正する際に「訂正のためのマイナス伝票」および「訂正後の伝票」
の取引日を8/1~8/31とすると、8/31の請求書は「要差し替え」となります。
→(A)のケース
この後、8/31の請求書の差し替え発行を行うと、「訂正のためのマイナス伝票」は
『請求書に表示する必要がある』状態のため、請求書に表示されます。
(3) また、請求書を7/31と8/31に発行していて、最新の請求書が8/31であると
き、7月の伝票を訂正する際に「訂正のためのマイナス伝票」および「訂正後の伝票」の
取引日を7/1~7/31とすると、8/31の請求書は「要差し替え」となりません。
→(B)のケース
この場合は、8/31の請求書を一旦取り消し、再度8/31の請求書を発行すると、
「訂正のためのマイナス伝票」は『請求書に表示する必要がある』状態のため、請求書に
表示されます。
4.「訂正のためのマイナス伝票」を請求書に表示しなくする方法について
(1) 伝票を訂正したとき「訂正のためのマイナス伝票」が作成された場合であっても「訂正
前の伝票」が表示された請求書をいったん取り消すことにより、「訂正のためのマイナス
伝票」を請求書に表示しなくすることができます。
請求書を取り消すことにより、「訂正前の伝票」と「訂正のためのマイナス伝票」が相
殺されるため、各伝票に『請求書に表示する必要がない』という情報が書き込まれます。
その結果、「訂正前の伝票」が表示されていた日付の請求書を再度発行しても「訂正前の
伝票」も「訂正のためのマイナス伝票」も表示されることはありません。
(2) 例えば、請求書を7/31と8/31に発行していて、最新の請求書が8/31である
とき、7月の伝票を訂正して「訂正のためのマイナス伝票」が作成された場合であって
も、以下の手順で「訂正のためのマイナス伝票」を表示しないようにできます。
①まず、8/31、7/31の順に発行済み請求書を取り消します。
発行済み請求書を取り消す手順の詳細は、次のQ&Aをご参照ください。
「発行済みの請求書を取り消す方法」
②次に、7/31の請求書を発行します。
③あらためて、8/31の請求書を発行します。
5.「訂正のためのマイナス伝票」を作成せずに伝票を訂正する方法について
(1) 伝票を訂正する際、「訂正のためのマイナス伝票」を作成しない「直接訂正」を行うこ
とも可能です。
※次のQ&Aもご参照ください。
「伝票を直接訂正できる条件」
(2) 例えば、請求書を7/31と8/31に発行していて、最新の請求書が8/31である
とき(あるいは、最新の請求書が7/31であるとき)、以下の手順にて「訂正のための
マイナス伝票」を作成しないようにできます。
①伝票を訂正する前に、8/31、7/31の順に請求書を取り消し(あるいは7/
31の請求書を取り消し)、6/30の請求書が最新となる状態にします。
②この状態で、7月の伝票を訂正すれば「直接訂正」が可能です。
③あらためて、7/31と8/31の請求書を発行します。
この場合、「訂正前の伝票」は削除され(無効な伝票になり)、「訂正のためのマイナ
ス伝票」も作成されることはありません。請求書には「訂正後の伝票」のみ表示されま
す。